【大丈夫】その言葉が人を強くする
ー経営者・小巻亜矢
以前見た番組の感想です。
私はこのテーマパークを全く知りませんでしたが、
キティにマイメロディ、キキララ、シナモロール…人気キャラクターに会えるテーマパークが今、ブーム。年間200万人以上が訪れているテーマパークがあります。
特にオトナ女子から絶大な支持を得て、インスタグラムなどのSNSで話題に。休日ともなれば、開店1時間以上前から大行列ができる。
ですが、この施設は、5年前までは赤字続きでじり貧の状況でした。
それをV字回復に導いたのが、社長を務める小巻亜矢さんです。
赴任当初はテーマパークに関してはずぶの素人だったという小巻だが、キャラクターもスタッフも変えることなく、来場者数をほぼ倍増させています。
一体どのようにして成し遂げられたのか。
興味ありませんか?
その手腕に迫るべく、テーマパークのバックヤードに初めてカメラが入り、小巻さんの仕事に密着した番組がNHKのプロフェッショナルという番組です。
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番組の中では彼女が、キャラクターの見せ方からお土産商品のデザインまで寸分の妥協も見せないこだわりと、社員への信頼を貫く姿勢がありました。
彼女がしていたこと、それは、
人を「信じて支えて伸ばす」
彼女が社長になる前
彼女が社長を務める前の会社は、赤字続きでじり貧の状況でした。
社内の空気はも悪く、人とのかかわり方も希薄。
そして、社内ではちょっと変わり者扱いされていたカメラマン。
実はそのカメラマンは実に仕事熱心でその熱意が時として変わり者と映るけれど、小巻社長は彼のアイディアや仕事に対する情熱にしっかり目を向けました。
個人的な意見ですが、人にはわからない個性は誰にでもあると思います。
それが表立って目立ってしまうと変わり者扱いされてしまうことも多いかもしれません。
その個性を、人とは違う魅力と感じ、その人を信じて支えることで、その人自身が伸びていく姿を社員全員が見ていました。
今まで変わり者扱いされていたのに、信じてもらえるっていう肯定感。
そして、否定されているから認められているに変わるとそれが自信となります。
認められているという自信。これって素晴らしい事です。
カメラマさんを見ていて、随分昔になりますが、お仕事でお世話になった職人さんを思い出しました。
その方は、社内で変わり者と言われていた熟練の職人さんでした。名前は坂口さん(仮名)。
丁稚奉公から職人してます。というだけあって、年齢もかなりご高齢。
職人さんの働いている会社の方からも、頑固でちょっと変わってる人やから、と紹介されていたほどで、同じ職場の方からも近づきがたいな、と思われている存在でした。
ちょこちょこ職人さんのいる会社へお邪魔する機会が増え、お仕事にはとても熱心で、几帳面な坂口さんの物つくりをされる姿を見ていると、とてもチャーミングで「すごいな」と思うことが多い方でした。会社へお邪魔するたび、坂口さんに話しかけたり、いいところを褒めていたら、いつのまにかすごく仲良くなりました。
そしたら、他の方にはできない!と突っぱねる仕事でも、私の依頼を引き受けてくれるようになりました。
しかも、「こんな難しいのできひん!!!」て一言で断られても、「大丈夫!坂口さんならできるよ~♪」と言い残して帰ったら、次回会う時までにその問題をクリアして、もっとこうしたらいいんじゃないかな、とアイディアまで出してくれるように。
しかも、「わしは言われたことしかせえへん!」て頑なだったのに、ちょっと照れつつ「ここは、もっとこうしたらいいんじゃないかな」て言ってくれた時は、とても嬉しかったです。
こちらも「すごい、坂口さん!」「できるや~ん!ありがとう、坂口さん!」といってほめまくり。
そしたら坂口さんは、めちゃくちゃ喜んでくれました。
で、喜んだ後に、もっとこうしてほしいねんけど、と修正を入れる(笑)
職人の坂口さんに出会って1~2年たったころ、坂口さんがこそっと話してくれました。
「私が近づきがたい空気を出していたのは、人としゃべるのが得意じゃないからなんや。そのうえ、私は恥ずかしがり何です。」「そやけど、あんたは関係なく話しかけてくるから」(笑)と。
職人さんが働いていた会社の社長さんはいい方なんですけど、結構怖い方で、職場ではあまりしゃべってはいけない空気が漂っていました。それもあり、どんどん社外の方と距離が出来て、近寄りがたい存在となっていったそうです。
もう一つ、坂口さんが何気ない時にぽそっと言ってくれたことで、今も心にのこっている言葉は「私は、最初はこんなんできひんのちゃうかな、と思って事でも、何とか工夫してできるようになるのが嬉しい」「あんたのこと(私)、最初孫と同じ年齢やし、仕事の話をしててもなんか命令されているような感じがして嫌やった。女のくせにと思ってた。そやけど、わしを認めてくれること。新しいことにチャレンジさせてくれること。知らんことを教えてくれること。だんだん、そやな。と、思うことも多くなってきて、今は来てくれるのが楽しいにゃ」と言ってくれたことです。
私もその言葉聞いて感動しちゃって。私のほうが毎回感動してたよ~!ありがとう。というと、すごく嬉しそうに笑ってくれたことを思い出します。
また違う日に、職人さんの会社の方からも、私が今日そちらへ行くことを坂口さんにお伝えしてほしい。と電話すると(坂口さん直通の電話がないので、伺う場合は会社の方へ毎回伝言します)「坂口さん、すごく楽しみに待ってはるねん。そやし、こないだ来れなかった時はものすごく残念がってたから。今日はちゃんと来てね」と。
「坂口さん、そんな風に思ってくれてたのか~」間接的に思いを聞くと、これまた嬉しい気持ちになりました。
一人一人の個性に着眼する
小巻さんの会社の話に戻りますが、 社員の方も今までスルーされていた案件にも目を通してもらえたり、自分の意見を聞いてくれたことでどんどんやる気を上げ、自発的にアイディアを出すようになり、会社も活気にあふれていきました。
そんな彼女も、子供を亡くしたショックから離婚を経て、子供が仲間から孤立する姿を見て一念発起した方です。
51歳で東京大学大学院へ入学し、子供との向き合い方を勉強するため、心理学などを猛勉強して今にいたる姿は素晴らしいですね。
私自身も「大丈夫」という言葉で乗り越えたことが多く、つらい経験も、時が過ぎれば、こんなこともあったな、と思うことも数知れず。
しかし、その経験を通して、気づくことや、人を見る着眼点が養える事等、いいことも多いです。すべてが通過点なんだな。と思った番組でした。